CVIC通信

CVICより皆様へのメッセージを届けます

“Teamwork” 「チームワーク」

医療機関は、まずは患者さんが沢山来てくれないと何も始まりません。昔とは違い、医療機関も競争の時代となり、如何に自分たちの施設の強みと特徴とアピールして行くかは重要な課題です。そのためには、優秀なドクターを集めることはまず最も重要なことです。やはり、ドクターの質が良いと患者さんも集まりやすいです。しかし、ドクターがいくら素晴らしくても、それをサポートする看護師、技師、受付・事務、助手などのコメディカルの皆さんが、出来るだけ気持ちよく患者を迎え、良質のサービスを提供する気持ちでないと、中々多くの患者さんは来院してくれません。野球に例えると、ピッチャーはもちろん重要で、ある程度の良いピッチャーがいないと試合には勝てません。しかし、どんなに素晴らしいピッチャーでも、全ての打者を三振に仕留めて完全試合を達成するのは容易ではありません。やはり、打者を打ち取るということになります。そのためには、一緒に守備をしてくれるチームメンバーが、しっかりと守ってくれないと試合には勝てません。信頼できるメンバーをバックに投げることが出来るピッチャーは幸せです。

CVICの紹介のために、積極的に様々な場所に講演会に出かけることが多いです。心臓の画像診断を用いて、先生方の診療のサポートをしたいといつもお話しするようにしています。お話し出来た先生の中には、実際にCVICに検査予約をして頂ける先生もいます。

  • その1本の先生からの電話を気持ちよく受けてスムーズな検査予約に繋げる。
  • 実際に来院された患者さんを笑顔で気持ちよくお迎えして、安心して検査を受けて頂く。
  • 検査中、検査後の患者さんの様子を暖かく見守る。
  • 検査後の患者さんのお帰りを笑顔で気持ちよく見送る。

これら一連のサポートがあってこそ、CVICドクターの診察、結果説明も生きてくると思っています。このような信頼できるチームワークが形成されるように努力して行きたいと思います。

f:id:mterashima:20151018075359j:plain

“Customer Satisfaction (CS) vs. Customer Value (CV)” 「顧客満足度 vs. 顧客価値」

東京大学に出来た「厨菓子くろぎ」というお店に行きました。

廚 菓子 くろぎ

Businessの世界では、顧客満足度(Customer Satisfaction) を高めることが非常に重要と言われてきました。医療の世界でも同様で、患者満足度を高めることが重要と言われています。しかし、最近の理論では、顧客満足度(CS)は将来の成長を本当に表す指標としては弱いのではないかと言われています。

顧客満足度とは、簡単に言えば既存の商品やサービスに満足してもらうように、苦情(クレーム)が無いようにしていくことになります。この考えには、より値段が高いが価値のある商品を生み出すという考えは生まれにくいと言われています。それとは少し違う考えに、顧客価値(顧客にとっての価値)を高めるという考えがあります。

顧客にとっての価値 (Customer Value) は、次の式で計算できると言われています。

Benefit – Cost = Customer Value

「得られる利益-コスト=顧客にとっての価値」

より顧客価値の高いものは、たとえ高価でも(コストが高くても)売れていくということになります。高級ブランドの戦略は後者の顧客価値の向上になります。もちろん、両者がバランスよく提供されれば理想的ですが、実際には非常に難しいと思います。

顧客価値の向上では、Appleの例が良く取り上げられます。Appleの商品は他の商品よりも高額です。しかし、Appleの商品により得られる顧客価値が高いので、今は他の商品で満足している人も、より高いAppleの商品を買うことになります。そこには明確なConceptがあります。

「顧客が今欲しい物を提供するのではなく、今後欲しくなるであろう物を提供する。」

高級な和菓子セットは、私にとっては新鮮な体験でした。素晴らしい環境のお店で和菓子セットを食べながら、CVICもこのようなServiceが提供できればとふと考えました。道のりは遠いかもしれませんが、努力して行きたいと思います。

 

f:id:mterashima:20150922163551j:plain

 

f:id:mterashima:20150922160442j:plain

"A song"

最近はスマホの普及により、いつでもどこでも音楽が聴けるようになり非常に便利です。音楽の脳波を安定化させる作用などの研究も盛んです。街中でも音楽を聴いている人を多く見かけます。何気ない瞬間に聞いた歌が心に響くこともあります。人の言葉も実はそうかもしれません。その時のTiming(タイミング)とSituation(状況)の重要性を感じます。少し切ないですが、何か勇気をもらえそうな歌であると純粋に感じました。

「そうそうこんな思いあったよな。」という感じでしょうか?

http://youtu.be/ubyXhSDM30k

「 誰かの役に立ちたい。」

多くの人が医療にかかわることになったきっかけの一つでもあると思います。もちろん、医療以外でも誰かに重要な影響を与えることは出来ると思います。CVICも、多くの患者さんが心疾患の予防や治療に前向きになるきっかけを与えることが出来ればと純粋に思いました。

 

 

 

 

 

“Coronary Artery Calcification”「冠動脈石灰化」

冠動脈CT検査の時には、冠動脈の石灰化という動脈硬化による変化がはっきりと描出されます。しかし、石灰化があるからといって、そこに治療が必要な狭窄病変が存在することにはなりません。この石灰化は、CTでは白い高信号として映るために、しばしば冠動脈狭窄の診断の邪魔になります。実際に、石灰化は、冠動脈CT検査の病変的中率を落とす原因のひとつとして有名です。

一方で、冠動脈に石灰化があるということは、動脈硬化が存在するということです。その点から、特に欧米で非常に多くの研究が行われています。標準的な方法で計算された冠動脈石灰化スコア(Agatson Score)が高値(>400)であれば、冠動脈疾患の罹患率が高く、さらに将来の死亡率が高いというDataが沢山あります。また、CVICで盛んに行われている、MRIを使って撮影する冠動脈MRAの診断の際に、冠動脈石灰化の情報が役立つ場合があります。冠動脈MRAで診断に迷う場合には、その部位の冠動脈石灰化の情報を参考にすると診断の助けになる場合があります。

我々の施設では、この石灰化スコアが高値である患者様が非常に多く来院されます。必ずしもそこに、治療が必要な狭窄病変が存在するわけではなく、治療に直結しないことから、日本ではあまり重要視されていない側面もあると思います。

ところが、冠動脈石灰化を見た患者様の驚きは、我々が想像する以上のものがあります。白いくっきりと輝いているものが自分の冠動脈にちりばめたように存在しているのは、気持ちが悪いものであるには間違いありません。その際によく言われるのが、以下のフレーズです。

「石灰化を取り除けませんか?」

残念ながら、取り除くにはロータブレータと呼ばれるダイヤモンドヘッドのドリルで削らないといけません。今の医学では、冠動脈石灰化を薬で取り除くことは無理です。しかし、冠動脈危険因子に十分気をつけて、それらをきちんとコントロールすることで、冠動脈石灰化の進展を遅らせることは出来ると思います。そう説明すると、患者様は無症状でも飲んでいる高血圧や高コレステロール血症の薬をきちんと内服し、薬剤コンプライアンスが向上します。それにより将来の冠動脈疾患のイベントが減らせるのではないかと考えられています。また将来的の冠動脈疾患発症の予測には、従来の冠動脈疾患の危険因子の組合せによる予測よりも、冠動脈石灰化スコア測定の方が優れているというDataも出ています。

「心臓病を見つける心臓ドックから心臓病にならないための心臓ドックへ」

今後は、このような予防的なことにも積極的に取り組んでいけるように、CVICでも工夫を凝らせていければと願っています。

f:id:mterashima:20110118210029j:plain

“Super Nurse” 「スーパー看護師」

ドクターの中には、看護師さんに教えられた、助けられたという人は非常に多いと思います。もちろん、私もその一人です。

現在は制度が少し変わっていますが、ドクターの研修医3年間はとにかく勉強の連続です。研修医2年目で忙しい大阪の市中病院に配属された時の経験は忘れられません。

病棟で循環器部長の受け持ち患者が急変し、当直の循環器の先輩医師が対応に当たり、私が循環器部長への連絡を依頼されました。自分なりに部長に報告したつもりでしたが、電話口でいわれたのは、

「お前じゃ分からないから、XX看護師に替わってくれ。」

すぐに電話を替わると、的確にバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数など)を含む患者の病態を報告し、循環器部長から指示を受けて、先輩の循環器医師と相談して患者に対処していました。私は、そのスピードについていけなくて、そばで見ているに近い状態でした。患者が落ち着いた後で、非常にショックを受けていた私に、XX看護師さんが声をかけてくれました。

「先生なら、そのうちに必ず私なんかよりももっと皆に信頼されるドクターになりますよ。たくさんの研修医を見てきましたが、先生は必ず優秀なドクターになると思いますよ。」

今から考えると、リップサービスもたくさん入った励ましの言葉だったと思います。しかしその言葉に救われ、モチベーションを持ち直して仕事に打ち込んだことは確かです。それから1年半後の阪神大震災の時に、その成果が試される時が来ました。大阪の病院ですが、神戸からの通勤組がほとんどであったために、先輩の循環器医師が出勤できず、本来5名で回している業務を私と先輩医師の2名で回すことになりました。私が即席の病棟医長として、病棟の40名の循環器患者を一人で回診し、先輩医師が普通に来院する100-150人近い循環器の外来患者を一人で見ていました。何とかしなければという思いで仕事をしていましたが、Staffの皆さんから、「寺島先生がいてくれて助かりました。」と言われたのは非常に嬉しかったです。

XX看護師さんは、非常に優秀な看護師さんでした。後輩看護師の指導もしっかりと丁寧に行うので、かなりの人望もありました。それほど優秀でありながら、決して驕ることなく、右も左も分からない研修医にも親切に接することが出来る能力に脱帽でした。

医療の世界では、医師が意思決定や責任のドップになるように組み立てられています。しかし、医師だけで全ての業務がこなせるわけではありません。特に慣れていない医師の場合には、経験豊富なコメディカルのスキルの方が高いことがあります。その時に、将来の成長を期待して、医師を育てるような気持ちで接することが出来るかどうかは重要と思います。どこかで必ずCVICに恩返しをしてくれるときが来ると思います。CVICスタッフの皆さんが、そのような大きな心を持ち合わせて、日々の仕事に接して頂ければと願っています。

f:id:mterashima:20150519184307g:plain

“When children outshine the parents” 「子どもが親を超える時」

親子の関係と似たものとして、師弟関係という意味では、習い事では弟子がいて、職場では後輩がいます。これら子供や弟子、後輩の成長で一番うれしいことは何でしょうか?

“Outshine the parents”「親を超える。」

ではないでしょうか?中国のことわざでは、

「青は藍より出でて藍より青し

という言葉と同じ意味と思います。CVICは2009年11月に、

「一人でも多くの患者に最新・最良の心臓画像診断を届ける。」

ことを目標としてStartしています。CVICは、最初は医師一人で個人クリニックとしてStartしました。しかし、現在では医療法人CVICとなり、3名の非常に優秀な若手医師が参画してくれています。それ以外にも、非常勤として若手の先生方が9名勤務されています。彼らは、近い将来、私よりも素晴らしい心臓画像診断のExpertになると信じています。実際に、私よりもかなり早いペースで、多くの症例数を日々経験し学んでいます。また、医師以外にも優秀な技師、看護師、助手などのCo-medical staff、事務長を筆頭とする医事課Staffを含む全員が、CVICをより素晴らしい組織とするべく日々考えて行動してくれています。上司に気に入られるために仕事をするのではなく、CVICがより患者や紹介元の先生方に信頼されるにはどうすればよいかを考えながら仕事をこなして行く環境が整えて行きたいと願っています。

アメリカのStanford大学の素晴らしい環境で、青々とした芝生の上で、真っ青な空を見ながら構想していたCVICは、紆余曲折を経て成長してくれています。近い将来に、CVICは私の構想していたものを超えていくと信じています。

“Outshine the parents ”「親を超える。」

私ももちろん、簡単には超えられないように精一杯頑張ります。それが、CVICのためになるのではないかと思っています。

 f:id:mterashima:20150726143918p:plain

“Meet the expectations” 「期待に応える」

先日、講演会でお会いした先生より貴重なMessageを頂きました。

 

昨日は,とても勉強になるご講演,ありがとうございました。非常に興味深く拝聴しました。実は私は,元呼吸器外科医です。胸部外科に所属しており,心臓外科・呼吸器外科を学びました。大学病院で肺癌の手術をしていた際、45歳男性で既往歴なかった方でしたが、右肺上葉切除終了し,閉胸しているときに、術中心筋梗塞を発症しました。幸い?開胸しているので、直接心臓マッサージをしながら体位を変えて蘇生しましたが、全く戻らず,結局はPCPS(経皮的心肺補助)を装着しました。結局は,左主幹部(LMT)病変でした。以後,冠動脈病変については,人一倍神経質になっています。以来、術前患者さんは,可能な限りcoronary CT(冠動脈CT)を実施してきました。年に数人程度ですが、肺の手術よりもcoronary(冠動脈)の治療を先行すべき人が見つかりました。この経験より、coronary CT(冠動脈CT)への思いは,人一倍強いものがあります。私は2年前に開業しました。開業以来,coronary CT(冠動脈CT)を依頼できる適切な施設がなく、本当に困っておりました。昨日,先生のことを知り,とても嬉しく思いました。本日,早速1名,患者さんをご紹介させていただきました。今後,何かと先生のお力を頼りにさせていただくことが多くなると思いますが、何卒,よろしくお願いいたします。

 

CVICは、これまでにもこのような先生方と1例ずつ信頼関係を構築し、「CVICにお願いすれば大丈夫」との信頼関係の中で検査依頼を受けています。「先生のご期待に必ず応えますので任せてください。」という、まさに魂のこもった検査予約受付、画像検査実施、検査Report作成がCVICのセールスポイントです。それを理解して頂き、時には至らないところを指導して頂ける先生方と繋がっていきたいです。「忙しい合間にさらにややこしい心臓検査なんてやりたくないよ。」という気分で検査している施設とは差別化を図っていかなければいけません。日々の気持ちの持ち方やMotivationの向上が、検査を依頼して頂ける先生方の期待に応えることに繋がると信じています。

“Don’t just meet the expectation but exceed them.”

「ただ期待に応えるだけではなく、期待を超える。」

新生CVICでは、さらにワンランク上に行きたいと願っています。

f:id:mterashima:20140718121535j:plain