CVIC通信

CVICより皆様へのメッセージを届けます

「答えは目の前の患者にある。」“The answer lies within patients in front of you.”

私は、医師になってから、尊敬する恩師に指導を受ける機会にとても恵まれていたとつくづく感謝しています。その中でも、印象に残っているのは、「答えは目の前の患者にある。」という言葉です。患者の病気に関するこれまでの医学の蓄積は教科書に載っています。しかし、全ての患者が決して教科書どおりではありません。教科書とは違う病態、病変を呈することは非常によくあります。また、受け持ち患者の血液検査や画像診断が、教科書に載っている同じ疾患名の病態と一致しない場合はよくあります。その際に、どちらを真実と考ええるのかというときに教えられた言葉です。

「教科書に載っているのは過去の蓄積で、未来の教科書に載る内容は、目の前の患者の中にある。」

私の昔勤務していた国立循環器病センターの尊敬する医長が、レジデントに指導しているときの言葉があります。

「毎日患者を診ている君が、実際に患者を診て、前よりもよくなっていると思うのであれば、データよりも君を信頼する。データを再検査して欲しい。」

どこまで技術が進んでも、最後まで人間しか人間を診れないのかも知れません。それがあるからこそ、我々も安心して技術の進歩に進めるのかもしれません。

CVICでは、高度な画像診断機器を駆使して循環器疾患の診断に迫ろうとしています。画像診断がPerfectに出来れば、それで簡単に診断がつくと考えがちです。しかし実際には、最先端の画像診断でも完全に解明されていない分野も沢山あります。このような考えを念頭において診療していれば、新たな画像診断上の特徴を見つけるという有意義な臨床研究につながり、未来の患者を救うことに繋がります。やはり、我々臨床医は、

「患者からしか学べない。」

のかもしれません。この思いが常に頭の中にあり、これが、「CVICには、画像診断を基に、患者の中にある答えに迫ることの出来るサテライトクリニックが必要ではないか。」と考える理由の一つでもあります。

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