CVIC通信

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“Communication” 「意思疎通」

Communicationは非常に重要と言われますが、実際にはどうすればよいのか?これはなかなか難しい問題です。人間同士のことですから、ちょっとしたことで行き違いやすれ違いが生じます。日本人は言葉に出さないでも、「あうん」の呼吸でということが多いですが、海外では「あうん」が通じることは非常に稀です。やはり、しっかりと言葉に出して伝えることが重要になります。

個人的に心がけているのは、次の3つです。

  • 人を褒めるときのCommunication
  • 人を励ます時のCommunication
  • 感謝の思いを伝えるCommunication

何気ない一言で、人を傷つけてしまうこともあれば、元気づけられることもあります。

私の若かりし頃(今でも若いつもり?ですが)の一例を紹介します。ドクターの中には、看護師さんに教えられた、助けられたという人は非常に多いと思います。もちろん、私もその一人です。現在は制度が少し変わっていますが、ドクターの研修医3年間はとにかく勉強の連続です。研修医2年目で忙しい大阪の市中病院に配属された時の経験は忘れられません。病棟で循環器部長の受け持ち患者が急変し、当直の循環器の先輩医師が対応に当たり、私が循環器部長への連絡を依頼されました。自分なりに部長に報告したつもりでしたが、電話口でいわれたのは、

「お前じゃ分からないから、M看護師に替わってくれ。」

すぐに電話を替わると、的確にバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数など)を含む患者の病態を報告し、循環器部長から指示を受けて、先輩の循環器医師と相談して患者に対処していました。私は、そのスピードについていけなくて、そばで見ているに近い状態でした。患者が落ち着いた後で、非常にショックを受けていた私に、M看護師さんが声をかけてくれました。

「先生なら、そのうちに必ず私なんかよりももっと皆に信頼されるドクターになりますよ。たくさんの研修医を見てきましたが、先生は必ず優秀なドクターになると思いますよ。」

今から考えると、リップサービスもたくさん入った励ましの言葉だったと思います。しかし、若かった私は、その言葉に救われ、モチベーションを持ち直して仕事に打ち込んだことは確かです。

褒める、励ます、感謝する、の3つを心がける人が増えれば、組織のCommunicationも良くなると思います。もちろん、時には厳しく注意することも必要でしょうが、しかし、上記の3つのCommunicationがしっかりとしていれば、大きなズレにも繋がらないのかもしれません。ついつい億劫になりがちですが、私も常に心がけて行きたいと思います。

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